刑法改正

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2017年7月13日に改正刑法が施工されました。今回は性犯罪について、主に厳罰化の方向で大幅な改正が加えられています。性犯罪の刑法改正はなんと110年ぶりとのことです。
この間までの国会では共謀罪がとても大きく取り上げられていましたが、刑法の改正というものは我々の生活に直結する問題です。もう少し報道などで取り上げてほしいものです。

さて今回の法改正ですが、以前より日本は性犯罪に対する規定・罰則が甘いと国際的な批判を受けてきました。加えて、法律自体が110年前のもので現代における諸問題と合わなくなってきたこともあり大幅な改正となりました。
内容としては、国際的な批判を捉えるよう、罪となる範囲を広くしかつ罰則を強化しています。そして何より今まで「親告罪」であった強姦罪(改正後は「強制性交等罪」)が非親告罪化されました。
※親告罪とは・・・親告罪(しんこくざい)とは、告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪をいう。告訴を欠く公訴は、訴訟条件を欠くものとして判決で公訴棄却となる(ウィキペディアより)。
つまり、被害にあった人間の訴えが無ければ事件にはならないという決まりで、これが性犯罪は泣き寝入りが多い、という現象の大きな要因でした。
これは昔から問題視されていることで、被害者による告訴が性犯罪の立件についてすごく大きなハードルになっていると言われていました。
被害届けで起訴が可能になることで、被害者救済に資すると言われています。
半面、起訴される事案が多くなることで示談が減り、実質的な被害者の経済的救済の機会が損なわれるのではないか(慰謝料を払うから告訴を取り下げてくれというような取引がなくなるのではないか)という意見もあるようです。
しかしながら、被害者が処罰を望まない(操作に協力しない)という事態になると加害者を起訴しても有罪に出来る可能性が低くなりますのでその恐れはあまり心配ないように思われます。
それより何より、実際に犯罪を犯した人間が、被害者が泣寝入りしたことで罰せられないという事態が減るということが何よりのメリットではないでしょうか。被害の事実があれば起訴され罰せられる、ということになれば犯罪抑止にもなると思いますので、この非親告罪化は社会的に大きな影響力を持つと思われます。

長い間よりどころにしてきたルールやシステムを変えるということは非常に勇気が必要ですよね。
我々がお手伝いしている転職なども、転職によって所属している組織のルールやシステムなど労働環境がガラっと変わることが少なくありません。医師は専門職なので、従事する業務にそれほど大きな変化がない場合の方が多いですが、人間関係などの変化は決して影響が小さいものではありません。
入職後に、その時の転職が成功だったかどうかを時間をかけて医師の方と一緒にジャッジしていくということもJMCのエージェントが大切にしている業務の一つなのです。

今回のような大きな法改正で今後世の中がどのように変わっていくのか、良くなるのか悪くなるのか、我々一人一人が厳しい目で見ていかなければいけないと思います。