医師の定年は?

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先生方から転職相談を受ける際、様々なご希望をお聞きしております。
主なご希望条件は以下の通りです。

・収入をあげるため
・スキルアップのため
・家庭の事情のため
・忙しさを緩和させるため
・大学医局を退局するため
・Uターンのため
・人間関係のため
・その他

本日のテーマは、『その他』に含まれます。
「定年がないところに転職したい」というご希望の先生とお会いする機会が以外と多いです。

医師には定年退職制度がある場合とない場合があり、医療機関によって違います。

〇国立・県立などの病院や、公営の医療団体などで公務員として勤務している医師は、65歳が定年と決まっており、退職金が約3,000万円(勤続年数により異なる)で、福利厚生も充実しています。
公務員の医師は定年退職後、再就職する場合は再雇用ではなく、定年の延長とすることを法律で定められています。
定年退職後に再就職した場合、定年前の年収の約70%が保証されており、5年間勤務した場合は5年分の退職金を得ることが出来ます。

〇民間病院の定年制度は様々です。
大手医療法人及び急性期病院ほど、定年制度を定めている傾向にあり、小規模病院及び療養型病院ほど、定年制度を定めていな傾向にあります。
また、大手医療法人では再雇用制度で嘱託契約制度をとっている場合があります。

〇非常勤について
1年ごとの更新という契約が多く、ある程度の年齢に達すると更新されない場合があります。

〇開業医について
開業医はご自身で引退を考えられるため、当然定年という概念はありません。

それでは、「定年がないところに転職したい」というご希望の先生に対して、どういったキャリアパスをご提案しているのか。
まず、診療科によっても異なってきます。

外科系の医師の場合は、50代でメスを置くことを考え、40代から転科を視野に入れる傾向が強いようです。
消化器外科から消化器内科、脳神経外科から神経内科へといった具合です。
薬やプライマリケアを学ぶ必要があるため、年齢的に早めの決断をすることが良い結果を生み出しているようです。
また、在宅医療へ進むという選択をする医師も多くいます。
外科系の先生は処置ができ、またハードワークをしてきているため、在宅医療で活躍されている先生は多いです。
売り手市場であることから、好条件の職場を見つけやすいです。

現職で定年ギリギリまでお勤めされた後、転職をお考えのケースもあります。
その場合、定年がない一般病院・療養型病院・クリニック・介護老人保健施設・健診機関が候補になります。
但し、定年がない病院といえども、現職の先生より若い先生を求めているケースが多いため、候補病院は限られてきます。

ご本人は若々しく体力に自信があったとしても、医療機関側の書類選考時には年齢で判断しますので、
まずは我々エージェントとお会い頂き、先生に代わって医療機関にお元気なところをアピールさせて頂けばと思っております。
定年退職ギリギリまでご勤務され、退職金をもらう選択肢と、早めに転職活動を開始し、有利な条件で転職する選択肢をご検討頂く事も重要です。

心も体も豊かな老後を迎えるために、是非JMCのエージェントにご相談下さいませ!

 

医療現場のIT化

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神奈川県にある急性期病院は、医療現場のスタッフ向けに腕時計型端末「アップルウオッチ」を導入し、2017年11月20日より本格運用を開始されたそうです。
1日に多くの電話を受ける病棟リーダー看護師や手術室・救急センター・ICUなどの医師・看護師に配布し、より効率性の高いコミュニケーションを検証していくとの事。
同時に、現場の医師の他、各部門の所属長のPHS約200台をiPhoneへ置き換えています。

スマートウォッチを採用した背景は、「医療現場では両手がつかえる事で様々な場面で有効という事です。
特に、救急医療の現場などでの活用を期待されています。
加えて、iPhoneと連携して多彩なアプリが利用できることに着目され導入されました。。
例えば、外国人患者との会話に翻訳アプリを利用したり、院内スタッフ間のコミュニケーションツールとしてLINE WORKSを取り入れたりといったことを想定しています。
同院では開院時から患者向けに全ベッドサイドへiPadを導入し、2017年8月にはすべてiPad Proに刷新しています。
病院施設内の案内や入院生活の注意点などの他、インターネットや動画をいつでも見ることができ、売店での買物にも使用できるよう利用拡大を予定しています。
また、患者・家族への検査説明や治療法説明の他、外来待ち時間対策などに利用できるシステムを今後検討されているそうです。

IT化により、職員の残業が減る事を期待されておりますが、電子カルテと紙カルテを併用したりと余計に業務が増加するケースも見受けられます。
身近にあるカルテについて一般的には下記のメリット・デメリットがあると言われております。

○一般的な電子カルテ導入のメリット、デメリット

<メリット>
・手書きカルテ等と比較して見やすい診療記録、検査結果、レントゲン画像
・若手の医師、看護師の電子カルテでないことへの不安が払拭される
・職種間での情報伝達、データ共有が簡単になってチーム医療に貢献
・オーダ情報が薬局や放射線部門、栄養部門などのシステムと連動し、再入力の手間や間違いも減少
・カルテ開示がプリントアウトで即刻可能になり、検査結果も即刻プリントアウト可能になったため外来迅速検体検査加算が増加
・院内で場所を占拠していた紙カルテ庫が不要になる
・カルテの出し入れや予約準備、搬送、検査伝票貼りをしていた医事課カルテ管理部門職員を配置転換できる

<デメリット>
・停電すると何も出来ない
・導入コストやランニングコストが発生する
・診療報酬上の点数評価がない
・紙カルテと違って一気に大量のデータ漏洩や喪失のリスクがありセキュリティ対策が必要

平成30年度の診療報酬改定で、評価の見直しを検討している「遠隔診療」もIT化の象徴になってくると思われます。
メリットだけでなく、課題が今後でてくることが予想されますが、動向を見守っていく必要があります。

JMCでは、「ハード面」「ソフト面」の情報も細かに収集し、求人のご案内をしております。
求人サイトに掲載しきれない情報をデータベースに確保しておりますので、是非、お気軽にお問い合わせ下さいませ。

結果発表

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全国医師ユニオンや医労連(日本医療労働組合連合会)などで作る「勤務医労働実態調査2017実行委員会」が11月9日に発表した調査で、多くの医師が長時間労働により勤務に影響が出ている実態が分かりました。

「過労死ライン」に当たる月80時間以上の残業を超えている医師は、常勤医(当直なし)で4.9%、常勤医(当直あり)では7.3%、初期研修医が8.5%に対し、後期研修医では18.9%と高い数字となりました。また1か月の休みが0日の医師が、常勤医で8.2%、初期研修医で4.2%、後期研修医で8.1%という結果でした。

こうした長時間労働の背景には、夜間や休日の救急医療や重症者に対応する「当直勤務」が大きく影響しています。当直明け後の勤務体制について、78.2%が「通常勤務」と答えており、連続勤務が日常茶飯事となっている現状が浮き彫りとなりました。

さらに、労働時間の管理方法については、「自己申告」が51.6%と最も多く、「タイムカードなどの客観的管理」が27.5%、「管理なし」が17.6%と、労働時間が十分に管理されていないことも明らかになりました。

また、当直明けの翌日の連続勤務と医療ミスとの関係についての質問で、集中力や判断力に関して「通常時と比べて大幅に低下していると思う」が36.3%、「やや低下していると思う」が42.7%と約8割が低下していると回答がありました。

電子カルテの文章の入力ミスや単純なミスも含む診療時のミスについて問うと、全体の13.4%が「相当ミスが多い」、13.4%が「ややミスが増える」と、3割近い医師が実際にミスが増加していると回答がありました。

医師の時間外労働への規制のあり方について厚労省の検討会で議論が進んでいる中、働き方改革で医師労働は改善すると思うかを問うと、全体の57.1%が「ほとんど改善しない」と回答がありました。その理由を聞くと、複数回答で「必要な診療体制を維持できない」がもっとも多く、次に「医療現場の法律は守られない」、「医師を労働者と考えない風潮」と続きました。

時間外労働の上限規制について、医師への適用は5年間猶予を設けたことについては、「わからない」が42.4%と最も多く、「賛成」が17.2%に対し「反対」が35.2%と2倍以上となりました。

調査は2017年7〜9月、学会や医療団体に協力を要請して記入を依頼し、約1800人の勤務医から回答。このうちインターネットでの回答を除いた1621人のデータが公表。回答者の属性は、性別(男性77%、女性23%)、年代(20代7.3%、30代20.5%、40代24.7%、50代25.3%、60代以上22.1%)、ポスト(院長9%、副院長9.4%、診療部長・科長28%、一般医師43.6%、無回答9.9%)。

 

「医師のモチベーションを支えるものは3つあり、それが叶えやすいことが働きやすさに繋がる」と言われています。
1つ目は報酬。
2つ目はキャリアアップや専門医・指導医の資格取得といった自己実現。
3つ目は、感謝される、尊敬されるといった社会的動機

その3つに加え、如何にQOLを確保できるかが働きやすい病院に繋がってきます。
そして、働きやすい環境づくりに成功している病院からは、
「時間をかけて改革した結果であり、魔法の杖はない」とお聞きします。

研究支援、資格取得支援、フレックスタイム制度など、さまざまな施策によって、医師のモチベーションや、
「自分たちを大切にしてくれる施設」という意識が高まり、働きやすい文化が醸成されるようです。
医師に応じて待遇やルールを微調整したり、最も多い世代のニーズを優先的に満たしたりなど、現状に合わせてPDCAを繰り返す柔軟性に改善されている病院もあります。

私達エージェントは、先生方の働きやすい職場を案内するだけでなく、採用や職場作りが上手くいっている病院の情報を吸収し、それを職場作りが上手くいっていない病院に還元する事も役割の一つだと思っております。

 

先生方、働く環境の悩みは色々あると思いますがそんな時は是非ご相談下さい。
JMCは医師が働き易い環境をあらゆる確度から分析しご提案させて頂きます。

第21回医療経済実態調査 平均年収はいくら?

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11月8日の中央社会保険医療協議会の総会と調査実施小委員会で公表された「第21回医療経済実態調査」によると
一般病院の病院長の2016年度の平均年収は、医療法人が最も高く3125万9262円、公的1893万1644円、公立1694万6099円、国立1445万2253円、社会保険関係法人1251万7605円で、開設主体により大きな差があることが分かりました。
開設主体別の平均年収差は2015年度でも同様に見られました。

平均年収の増減を見ると、医療法人(2015年度比0.6%増)、公的(同2.0%増)、公立(同1.0%増)、社会保険関係法人(同2.6%増)では増加した一方、国立(同0.3%減)では減少したました。
平均年収は、「平均給料年(度)額」と「賞与」の合計額。

一般病院の医師(病院長以外)の平均年収も同様に、最も高いのは医療法人で1452万1856円(2015年度比0.2%増)。以下、公立1300万3755円(同0.4%増)、公的1255万7100円(同0.8%減)、国立1192万9465円(同0.6%減)、社会保険関係法人1171万5078円(同2.7%増)でした。
国立病院の職員は、歯科医師、薬剤師、看護師職員、医療技術員のいずれも、前回調査よりも0.3~1.3%減少しています。

一般診療所(有床、無床の全体)について見ると、医療法人の院長の平均年収は、2788万505円(2015年度比0.6%減)でした。
院長以外の医師の場合は、医療法人1258万2253円(同2.0%減)、個人1014万2218円(0.8%減)でした。

今回の医療経済実態調査は、2016年度診療報酬改定をはさんだ2カ年の経営状況を調べるため、
(1)2016年4月から2017年3月末までに終了した事業年(度)
(2)2015年4月から2016年3月末までに終了した事業年(度)――
の2期間について調査。

調査対象は、病院2581施設(有効回答数1450施設、有効回答率56.2%)、一般診療所3220施設(同1744施設、同54.2%)、歯科診療所1143施設(同654施設、同57.2%)、保険薬局1835施設(同1090施設、同59.4%)でした。

個人的には、病院数約8,400(内一般病院 約7,350)ある中で、対象病院が2,581と少ない印象を持ちました。
諸々過去に問題があったとはいえ、社会保険関係法人の給与がまだまだ改善されていない事が明白です。

 

ただ、今回の調査資料ですと、診療科目毎や年次の相場が分かりません。
JMCでは全国の医療機関から求人をあずかっています。
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フィギュアスケート

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週末は、台風上陸や衆議院選挙等、様々なニュースがありました。そんな中、フィギュアスケートGSが男女とも行われ、羽生結弦選手が2位、樋口新葉選手が3位に入賞しました。

今大会を制したネーサン・チェン選手(18=米国)は5種類の4回転ジャンプ(羽生選手は4種類)を操るなど、若手の追い上げる勢いが如実に現れてきました。

そして毎度思うのは、フィギュアスケートのジャンプの種類と難易度について、理解出来ないなあ・・・と。

いい機会なので、種類と難易度について調べてみました。

<ジャンプの難易度>

3回転までは解説でも英語を使いますが、4回転ジャンプは「クワドラプル」とは使わないですね。こういう表現をすると初めて知りました。

この採点基準を見る限りトゥループ→サルコウ→ループ→フリップ→ルッツ→アクセルという順に難易度が上がっていくことが分かります。

名称 略称 基準 回転不足
シングル・トゥループ 1T 0.4 0.3
シングル・サルコウ 1S 0.4 0.3
シングル・ループ 1Lo 0.5 0.4
シングル・フリップ 1F 0.5 0.4
シングル・ルッツ 1Lz 0.6 0.5
シングル・アクセル 1A 1.1 0.8
名称 略称 基準 回転不足
ダブル・トゥループ 2T 1.3 0.9
ダブル・サルコウ 2S 1.3 0.9
ダブル・ループ 2Lo 1.8 1.3
ダブル・フリップ 2F 1.9 1.4
ダブル・ルッツ 2Lz 2.1 1.5
ダブル・アクセル 2A 3.3 2.3
名称 略称 基準 回転不足
トリプル・トゥループ 3T 4.3 3
トリプル・サルコウ 3S 4.4 3.1
トリプル・ループ 3Lo 5.1 3.6
トリプル・フリップ 3F 5.3 3.7
トリプル・ルッツ 3Lz 6 4.2
トリプル・アクセル 3A 8.5 5.9
名称 略称 基準 回転不足
クワドラプル・トゥループ 4T 10.3 8
クワドラプル・サルコウ 4S 10.5 8.1
クワドラプル・ループ 4Lo 12 8.4
クワドラプル・フリップ 4F 12.3 8.6
クワドラプル・ルッツ 4Lz 13.6 9.5
クワドラプル・アクセル 4A 15 10.5

フィギュアスケートのジャンプは回転が多いほど高い得点が得られます。そのため、回転数を追求します。

しかし、回転が足りない場合は得点が減らされます。ただし、4分の1までの回転不足は不足にはならず、得点も減らされません。回転の不足分が4分の1を超えると「アンダーローテーション」、2分の1を超えると「ダウングレード」という評価になります。

1)アンダーローテーション(1/4~1/2の回転不足)
ジャンプの回転が4分の1~2分の1の場合(と判断された場合)は、アンダーローテーションと呼ばれる回転不足と認定されます。
ローテーションというのは「回転」という意味です。

2)ダウングレード(1/2を超えた回転不足)
そして回転が2分の1以上足りない場合はダウングレードという評価になります。つまり1つランクの低い回転になります。
トリプルアクセル(=8.5点)ならダブルアクセル(3.3点)として判定されるという意味です。これは痛いですね。

3)ジャンプの転倒による減点について
ジャンプで転倒した場合は、基礎点から1点の減点があります。
トリプルアクセルなら8.5点なので、1点マイナスされ、7.5点になるというわけです。

ただし、そこに回転不足でダウングレードなんかされると……ダブルアクセルと認定され(=3.3点)、さらに転倒による減点(-1点)により、なんと2.3点になるということです。すごく低いですねー。

<ジャンプの種類>

難易度の優しい順に解説します(出典: MonkeySee

○トゥループ

いちばん易しいとされるのがトウループジャンプです。
右足外側のエッジに乗り、左足のトウをついて踏み切ります。ループと同じく、滑ってきた軌道を利用しながらトウをついて跳ぶので、最も跳びやすいジャンプとされ、観戦者の目には、自然の流れに乗って跳んでいるように見えます。
男子シングルで跳ばれる4回転は、その大半がこのトウループです。また、コンビネーションジャンプの2つ目に跳ぶジャンプとしてもよく使われますから、競技中、いろんな場面で見ることができるジャンプでもあります。

○サルコウ
サルコウジャンプは、ループ、トウループと同じく、ジャンプする直前の体の進行方向が、ジャンプの回転方向と同じです。そのため滑る勢いをそのままジャンプに生かしやすく、比較的難易度が低いとされるジャンプです。
左足内側のエッジで滑りながら、右足を前上方に振り上げて跳ぶので、瞬間、内股が「ハ」の字になります。踏み切るときにスキーのボーゲンのような体勢になったら、サルコウと判断できると思います。
比較的易しいジャンプなので、男子ではトウループに次いで4回転ジャンプに使われるジャンプです。日本の安藤美姫選手が、女性では初めての4回転ジャンプを決めたのもこのジャンプです。

1909年にスウェーデンのウルリッヒ・サルコウ選手が初めて跳んだ事が名前の由来です。

○ループ

右足踏み切りで、トウを使わないジャンプがループジャンプです。

右足外側のエッジで滑りながら、左足を少し前に出して、滑ってきた勢いを使って踏み切ります。跳ぶ瞬間に、イスに腰掛けたような格好になるのが特徴です。

トウループも同じように右足外側エッジに乗って跳びますが、トウループはフリーレッグのトウを氷につくので判別は容易でしょう。

比較的難易度の低いループは、トウループと同じくコンビネーションジャンプの2番目に跳ばれることが多いジャンプでもあります。ただし、着氷した右足でトウピックの助けなしに再び跳び上がらなければならないため、トウループよりも難しいとされています。

○フリップ

ルッツと非常によく似ているので見分けるのが難しいのがフリップジャンプです。

ジャンプする直前に左足内側のエッジに乗り、右のトウをついて跳びます。慣れるまで、なかなかルッツとの見分けがつかないかもしれませんが、前向きに滑走して踏み切る直前にぱっと後ろ向きになって跳ぶことが多いので、これを1つの判別ポイントにしてみてください。会場で見分けられなかった方は、テレビでの観戦の機会に解説を参考にしながらじっくり見てみるといいでしょう。フリップとルッツの判別がすぐにできるようになったら、“ジャンプ通”だそうです。

○ルッツ

アクセルの次に難しいとされるのが、ルッツジャンプです。
ルッツは、少し長めに左足の外側エッジに乗って後ろ向きに滑走し、左肩をぐっと入れて右のトウをついて跳びます。滑走で描いてきた軌跡と反対の回転をかけながら踏み切るので難しいとされるジャンプです。「左足外側エッジ」というのが重要なポイントで、これが「左足内側エッジ」に体重を乗せてしまうと、正しくないエッジと判定されて減点対象となります。
長く左足で後ろ向きに滑走して跳ぶ選手と、右足で滑走して踏み切る直前に左足を右足にかぶせるようにクロスさせて踏み切る選手がいます。後者の場合、フリップとよく似てきます。

フィギュアスケートを見ていて、ジャンプに備えた助走が「なんか長すぎない??」と思うときってないですか?
実は、ほとんどがルッツジャンプという事です。じゃあ、なんで助走が長いかというと難しいからなんですね。

○アクセル

難易度が最も高いアクセルジャンプ。アクセルジャンプの特徴は、前向きで踏み切ること。6種類のジャンプの中で、前向きのまま踏み切るのはアクセルだけなので、技術的には高難度でも、見分けることは比較的簡単です。

着氷は常に後ろ向きですから回転数は1/2回転加わり、1回転半がシングルアクセルとなります。

男子選手にとって、トリプルアクセル(3回転半)で得点を稼ぐことが上位に食い込むための重要な鍵になります。しかし前向きで踏み切るのは難しいため、選手によってはさらに高難度とされている4回転トウループのほうが得意という人もいます。

当然、女子にとってはことさら難しいジャンプとなり、トリプルアクセルを成功させた女子は過去に数えるほどしかいません。

浅田真央選手は「トリプルアクセルと歩んだ人生」と表現したように、極めるのが難しいジャンプなんですね。

ジャンプだけでなくステップや表現等色んな要素がありますが、まずはジャンプについて理解すれば、また競技の見方が変わってくるのではないでしょうか。