医療現場のIT化

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神奈川県にある急性期病院は、医療現場のスタッフ向けに腕時計型端末「アップルウオッチ」を導入し、2017年11月20日より本格運用を開始されたそうです。
1日に多くの電話を受ける病棟リーダー看護師や手術室・救急センター・ICUなどの医師・看護師に配布し、より効率性の高いコミュニケーションを検証していくとの事。
同時に、現場の医師の他、各部門の所属長のPHS約200台をiPhoneへ置き換えています。

スマートウォッチを採用した背景は、「医療現場では両手がつかえる事で様々な場面で有効という事です。
特に、救急医療の現場などでの活用を期待されています。
加えて、iPhoneと連携して多彩なアプリが利用できることに着目され導入されました。。
例えば、外国人患者との会話に翻訳アプリを利用したり、院内スタッフ間のコミュニケーションツールとしてLINE WORKSを取り入れたりといったことを想定しています。
同院では開院時から患者向けに全ベッドサイドへiPadを導入し、2017年8月にはすべてiPad Proに刷新しています。
病院施設内の案内や入院生活の注意点などの他、インターネットや動画をいつでも見ることができ、売店での買物にも使用できるよう利用拡大を予定しています。
また、患者・家族への検査説明や治療法説明の他、外来待ち時間対策などに利用できるシステムを今後検討されているそうです。

IT化により、職員の残業が減る事を期待されておりますが、電子カルテと紙カルテを併用したりと余計に業務が増加するケースも見受けられます。
身近にあるカルテについて一般的には下記のメリット・デメリットがあると言われております。

○一般的な電子カルテ導入のメリット、デメリット

<メリット>
・手書きカルテ等と比較して見やすい診療記録、検査結果、レントゲン画像
・若手の医師、看護師の電子カルテでないことへの不安が払拭される
・職種間での情報伝達、データ共有が簡単になってチーム医療に貢献
・オーダ情報が薬局や放射線部門、栄養部門などのシステムと連動し、再入力の手間や間違いも減少
・カルテ開示がプリントアウトで即刻可能になり、検査結果も即刻プリントアウト可能になったため外来迅速検体検査加算が増加
・院内で場所を占拠していた紙カルテ庫が不要になる
・カルテの出し入れや予約準備、搬送、検査伝票貼りをしていた医事課カルテ管理部門職員を配置転換できる

<デメリット>
・停電すると何も出来ない
・導入コストやランニングコストが発生する
・診療報酬上の点数評価がない
・紙カルテと違って一気に大量のデータ漏洩や喪失のリスクがありセキュリティ対策が必要

平成30年度の診療報酬改定で、評価の見直しを検討している「遠隔診療」もIT化の象徴になってくると思われます。
メリットだけでなく、課題が今後でてくることが予想されますが、動向を見守っていく必要があります。

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